史上高齢を理由に譲位されたのは元明天皇である。上皇になられてからを続日本紀で見る。
譲位されたのは715年である。譲位の際の詔ではっきりと高齢を理由とされ、「履き物を脱ぎ捨てるように皇位を離れて過ごしたい」とし、聖武天皇がが幼少のために元正天皇に譲位された。
続日本紀によるとその後5年間元明上皇に関する記事はない。全く政治に関与されなかったようだ。
次に出てくるのは6年目(721年)に病気になられたときである。平癒を祈った様々なことがなされた記録がある。
この年病気になられて5月後に初めて臣下を呼んで葬儀のことを指示された記録がある。薄葬にする意思を示されている。これまで臣下に直接接された記録はない。病気が重くなり死期を悟られたようだ。
そして崩御と葬儀の記録が続く。722年正月の行事が中止になったことで元明上皇に関する記事は終わる。
以前譲位反対者は上皇の存在で政治に混乱した例ばかりを挙げて反対した。しかし、範とすべきはこのような高齢による譲位なのだ。
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